コロナ禍の学生生活 in ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)
みなさんこんにちは!
久しぶりのインタビュー企画です。
今回インタビューを受けてくれたのは、筆者の高校の同級生です。
高校卒業後、単身でカナダに向かい、現地で様々なことに挑戦する彼女。
4年前、彼女はどのような思いでカナダへ飛び立ち、そして今何を思うのか?
ぜひお楽しみください!
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(以下、文章は筆者の同級生によるものです)
1. カナダの大学で勉強していること
ブリティッシュコロンビア大学のビジネススクールで、組織理論と人材マネジメントを専攻しています。具体的には、人種・年齢・性別といった対外的な物に囚われずに企業の本質に見合った人材を登用する方法を考えたり、男女の育休制度が社会全体に与える利益を検証したり、など勉強分野は様々です。カナダだけでなく、イランや中国、インド、ヨーロッパ等、国際的な背景を持つ教授陣が揃っており、各国の制度と比較しつつ広く学べる所も魅力的です。

UBC バンクーバーキャンパス [Image by The University of British Columbia]
私は、長期に渡って大学留学を計画していた訳ではありません。むしろ、かなり唐突に出した決断でした。高校卒業後、大学受験が思うようにいかず身も心も疲れ果てていた私は、浪人してもう一年予備校に通う気持ちには到底なれませんでした。そもそも、そこまでして大学に行きたい理由すら分からなくなってしまったのです。「落ち着いて自分自身と見つめ合い、静かな環境で将来を考える時間が欲しい」と思い、1カ月間のバンクーバー旅行を計画しました。

大学内のお気に入りスポット:ローズガーデン [Image by YouVisit]
世界各国から人が集まるバンクーバーでは、現地のボランティア活動を通じて、多種多様な生い立ちを持つ友達と出会うことができました。より安定した生活を求めて、医師を辞め、言語学校に通う50代のブラジル人男性や、女性として制約された立場で育ちつつも、自力で将来を切り拓く為にカナダ留学を決意した17歳のサウジアラビア出身の女の子など... 幸か不幸か、自分の人生を真っ向から考えたことなんて一度も無かった私は、まさに井の中の蛙そのものでした。
新しい世界で自分の人生を掛けて挑戦している同年代の友達からは、特に大きな刺激を受けました。運良く平和な国に生まれ、食べ物にも学費にも苦労せずに済む私のような人もいれば、性別や宗教によって差別され、教育を受ける権利さえも否定されてしまう人も数多く存在します。ですが、最終的にはみんな同じ土俵で勝負するため、生い立ちそのものが社会で不利になってしまう事が多々あります。例えば、教科毎に家庭教師が付く恵まれた環境で育とうが、塾に行く経済力も無く自力で努力しようが、同じ大学を出ていれば、就活時には同等として扱われるかもしれません。そのように根本的に不平等なシステムの中で、どうすれば企業や組織が社会の平等性に貢献できるのかを問い、逆に社会貢献が企業に還元する利益を検証する... というのが(ざっくりと)私の勉強している組織マネジメントの本質です!
2. サークルとかアルバイトとか...大学以外の活動
カナダの大学ではサークルやゼミといったものが無く、代わりに“クラブ活動”が盛んです。スポーツや音楽など趣味を追及するようなものもあれば、専攻分野を深く研究していくようなアカデミック重視のもの、企業とのネットワークを深めるなどキャリア支援が目的の団体もあります。
私は''Young Women in Business” というクラブの運営に携わり、女性の企業家を招いてワークショップを開催したり、彼女たちのインタビューを記事にしてブログにあげたりなどしています。
北米は就職の際に経験重視なこともあり、専攻分野に合った実務経験を積むため、数年休学して企業でインターンとして働く人も多数います。私の場合は学業と並行して、食料飲店のマーケティング部門でアルバイトをしています。オンラインストアの広告戦略を考案したり、バンドルの発案をしたりと、ビジネススクールで学んだ事を実際に生かせるし、キャンパス内にある会社なので同僚も皆UBCの学生で、楽しみながら活動できています。

海と山に囲まれたキャンパスで、病院やスーパー、レストランも全てキャンパス内に揃っており、アルバイトの機会も多いです。 [Image by Greedge.com]
3. コロナによって1,2はどのように変わったか
コロナによって、講義もクラブ活動も100%オンラインに移行しました。それによって、講義ではかなりコミュニケーションが活発になった気がします。大半のコースで''発言点’’が10%ほど設けられ、教授の質問に対してその場で意見することが求められるようになりました。
どのコースでも必ずグループプロジェクトがあるのですが、チームメイトの住んでる場所が違うことも多く、州間での時差はかなり厄介でした。ZoomやFacebook Messagerでこまめにミーティングを調整し、Notion(知識マネジメントツール)で役割分担を決めて共同論文やプレゼンテーションを準備するなど、今まで使うことが無かったオンラインツールやソフトに触れる機会も増えました。また、海外からの受講生に配慮して、時差に合わせた授業選択もできるので、留学生も通常通り履修できています。
クラブ活動に関しては、オンライン移行後もZoomをメインに通常通り行われていますが、メンバー内での交流が減り、新しい友達を作る機械になかなか出会い内のが残念です。私は寮に住んでいるのですが、クッキングコンテスト等のオンラインイベントも多数あり、コロナ渦で寮生のメンタルがやられないような工夫もされているようです(笑)。


栄養学部の生徒が企画した寮でのクッキングコンテスト
インターンシップも全てオンラインに移行し、思うように企業体験ができず不満を抱える学生は多いです。生半可のインターンになってしまうのであれば、リモートならではのお仕事を体験してみようと思い、通訳と翻訳のフリーランスを始めました。主に海外と取引の多い日系企業で、文献翻訳やビジネスミーティングの逐次通訳をする機会を頂いています。ビジネスの本場を知れる良い機会でもあり、少し生活費の足しにもなるので、結果的に悪くない選択だったかなと思います!
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いかがだったでしょうか。
現在、筆者自身、大学の交換留学プログラムにより日本を離れて暮らしています。
彼女も言うように、こうして日本を一度離れ、今まで出会うことのなかったようなバックグラウンドや考えを持つ方々との出会いを重ねることで、
自分自身の生き方やこれからについて考えることが増えたように感じます。
留学することが簡単ではない今のご時世だからこそ、この貴重な機会を最大限大切にしようと思う毎日です。
皆様も、健康にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。
では、次回の記事もお楽しみに!